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その他 (サラ・コダマ SS保存棚9)

約束

136 :その1 :03/03/18 09:22 ID:???
最後はお祭り。
皆、心から楽しんでいた。
ゲイン、アナ、アデット、ママドゥ、リュボフ、コナ。
向こうで踊り、歓声を浴びているのはミーヤだ。
シンシアも、ベローも笑っている。
そして、目の前には彼女が笑っている。
心から愛している少女が、誰にも譲りたくない少女が、
そして自分の想いに応えてくれた少女が自分に笑顔を向けてくれている。
ゲイナー全身は歓喜に満ちていた。それは生まれて初めてのものであった。
ふと、周囲に自分の意識が溶けていく感覚に襲われた。
僕は陶酔しているのか。いや、それだけじゃない。
全身から力が抜け、周囲の輝きが増していく。
誰かが自分の身体を揺すっている。サラだ。何故泣いている。
ベローがサラを羽交い締めにして僕から引き離した。
よせ、サラ。落着け。
何を言っているんだ、ベロー。意味がわからないよ。
気がつくと、皆自分の回りにいた。
シンシアは泣きじゃくっている。アナもだ。あんなにしっかりしている子なのに。
アデット先生は俯いて小刻みに震えている。一体どうしたんだろう。
ゲインさんもガウリ隊長も、顔色が変わっている。
リュボフさんはママドゥ先生の胸に顔を埋めて嗚咽している。
皆どうしたんだ。もうすぐヤーパンじゃないか。

137 :その2 :03/03/18 09:41 ID:???
ふと、優しい感覚が胸からわき上がった。
振り向くと、そこにサラがいた。
サラは僕の手を握り、何かつぶやいている。いやよ、いや。そんなの絶対いや。
「何がそんなに嫌なんだい」
自然に口が動いていた。驚きの視線が僕に集中するのが感じられる。
サラは僕の顔を見、次の瞬間には号泣していた。
「何が悲しいんだいサラ。僕達はヤーパンに辿りついたんじゃないか」
「うん。うん。もうすぐヤーパンよ。だからゲイナー」
「着いたら一緒に麦畑をやろうよ」
「うん。そうね。そうね」
誰かが僕に喋るなと叫んだ気がした。サラの肩に誰かの手が置かれた。
ベローもサラもなんでそんなに悲しい顔をしているんだ。
「サラ、笑ってよ。僕はどんなサラも大好きだけど、笑顔のサラが一番好きなんだ」
そういうと、サラは僕に微笑んでくれた。
僕はとても幸せな気分に包まれた。
僕達はずっと一緒だよ。
それが声になったかどうかはわからない。
だが、サラは涙を浮かべながら、それでも微笑み返してくれた。
想いは通じた。
そう感じた次の瞬間、ゲイナーの意識は周囲にとけて行く事を自覚した。
とける寸前、ゲイナーの意識は白髪の巨漢の存在を近くに感じたが、どうでもいい事だった。
自分は一人ではない。一人では何もできないが、皆とエクソダスを完遂できた。
ゲイナーの意識はその充実感に包まれつつ薄れていった。

141 :136その3 :03/03/18 12:59 ID:???
大地が黄色に輝いていた。
ヤーパンの天井がヤーパンに辿りついてから十五年の月日が流れていた。
女は泥に塗れていたが、その表情は美しく、生気に満ちていた。
女が栽培しているのは麦である。
夫や友人達は米作を主張したが、これだけは譲れなかった。
我ながら自分勝手な女だとは思う。特に夫の優しさには甘えすぎだと自覚している。
夫を傷つけている事を自覚しながらも、女は麦作だけは譲れなかった。
約束したからだ。
あれから十年の月日が流れ、女は笑えるようになり、守りたい大切な存在もできた。
だからこそ、この約束だけは守らねばならない。
それは自戒であった。
女は幸せを感じつつも、それに浸りきり、彼を忘れる事を恐れていた。
忘れなんかしない。忘れたりなんてできない。
彼は死んだ。自分は他の男と結ばれ、別れた友人達もいる。
それでも私は彼の事を忘れたりなんてしない。夫を傷つける罪も背負う。
彼の事を覚えたままで、私は今を生きる。
西日が天地を赤く染めていた。向こうから子供がかけてくる。
「ただいま、母さん。あのね、今日学校で校長先生が変わったんだよ」
「お帰りゲイナー。そう、ママドゥ先生ももうそんな年なんだ」
「うん、それでね、アデット先生が・・………」
「落着いて、夕食をとりながら聞くわ。お父さんにも聞かせてあげなくちゃ」
「うん!」
元気よく頷いて駆け出す息子の後姿を見て、女は微笑んだ。
サラ・コリッシュは、母として今を生きている。


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噂のゲイナー先生

318 :通常の名無しさんの3倍 :03/03/25 17:11 ID:???
>>315
女生徒A「ねえねえ、知ってる? シンシア先生って、
昔、ゲイナー先生のことが好きだったんだって!」

女生徒B「うそでしょ〜! あんな素敵なサラ先生があのボンクラの奥さんだってことすら、
信じられないのに!」

女生徒C「それどころか、サラ先生を口説くかたわら、アデット教頭と同棲してたって噂よ。
真面目そうな顔してるけど、昔は『俺の子を産んでくれ』が口癖だったらしいし」

アナ姫「いえ・・・最後のは、よく似たお名前の別人のお話なのですけれど」



必死で聞き耳を立てている男子生徒たち「ゲイナー・・・絶対、殺す!」


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管理人: KSS (キンゲ三流ネタ職人)

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